2021/08/07

GAMESS-USをM1 Macbook proで

homebrewは、ver 3.0 によって、ARM64に対応できている。そのため、開発環境としてgfortran 11.1.0が利用可能となった。

独自ビルド(September 30, 2020 R2 Public Release)

2021年7月現在では、GAMESS-USの、M1 Macでのコンパイルを調べても出てこないので、configスクリプトで生成した install.info comp compall をそれぞれ手で編集してコンパイルすることにした。

$ uname -m 

arm64

$ gfortran -v

11.1.0

となるので、install.info 内のTARGET指定を arm64へ編集と

setenv GMS_GFORTRAN          gfortran
setenv GMS_GFORTRAN_VERNO    11.1.0
setenv 
GMS_MAC_OSX_VERNO     11.4

comp compall 内のmac64をarm64へ編集

comp 内のgfortran のバージョン番号 case 11.1.0を追加

lked 内のGMS_MAC_OSX_VERNO 11.4を追加

... compddi に失敗(gfortran のフラグから -m64をはずすこと)

June 30, 2021 R1 Public Release

ところが、2021 R1版のリリース情報が直後に出てきた。こちらが、mac M1チップセットへの正式対応版となる。リリースノートによると、環境は独自ビルドしようとしたものと同じ。
Build support for Apple M1 with GNU GCC 11 (#558) (G. Schoendorff of Iowa State University).

新しいconfigを使ったコンパイルののち、exam01からexam48まですべて "Passed"となった。

なお、TINKER・NEOの機能追加ビルドは、idateの変数名ではまったが、コンパイルには成功した(インストール参考:https://qiita.com/taiyocching/items/6a311c08e25676947586 )



2021/07/04

M1 (ARM64) ・Big Surの環境構築

2021年、M1チップセットの登場が騒がしいなか、互換性を考えず購入(intel binaryであるGaussian系が動かないと完全な環境移行にはなりません)。これまで使ってきたOS X(macOS) の変遷は Lion → Snow Leopard → El Capitan → Mojave → Big Surとなり、MacBook Proは5台目です。

環境構築はhomebrew のみですが、intel版(Rosetta 2)ではなくarm版への乗り換えとなります。homebrewによるpymol のインストールは確認。

Thunderbolt 3 が筐体左に2ポートのみと、周辺機器の運用は、思ったより厳しいのですが、往時のネットブックのような長時間のバッテリーの持ちには驚きます。Webinarの配信・スクリーンキャストビデオ作成には十分です。

MacBook Pro (13-inch, Late2011)
CPU: 2.4GHz Core i5
Memory: 8GB
MacBook Pro (13-inch, Mid2012)
CPU: 2.5GHz Core i5
Memory: 16GB (upgraded)

MacBook Pro (Retina, 13-inch, Early2015)
CPU: 3.1 GHz Intel Core i7
Memory: 16GB DDR3

MacBook Pro (13-inch, 2019, Four Thunderbolt 3 ports)
CPU: 2.8 GHz Intel Core i7
Memory: 16GB 2133 MHz LPDDR3
MacBook Pro (13-inch, M1, 2020)
CPU: Apple M1 (APL1102) 8 cores (4 high-performance 3.2GHz, 4 high-efficiency 2.1 GHz)
GPU: Apple GPU 8 cores
Memory: 16GB 4266 MT/s LPDDR4X

2021/04/18

Parallels Desktop

 Mac OSX 環境で完結させるべきところ、どうしてもWindows環境が
必要なときがある。Parallels Desktop 16 の永久ライセンス版(Retail box) には
Windows10の評価版が付いてくる:通常インストール後にamazon等で
ライセンス購入すればよい。

そのほかの環境設定

・Macbook pro USキーボードの場合に、Windows側でキーボードレイアウトの変更が必要となるため、設定変更・再起動すること
https://inoccu.com/blog/2020/07/26/144429.html


(追記)

M1 (ARM32) Macbook Pro のParallels 16.5 (Retail box) 環境で、Windows10 preview / Windows 11 の動作を確認。ただし、Windows 11 は、ISOイメージをローカルでビルドしてTPM 2.0チェックを乗り越える必要あり。


2019/12/07

可視化ソフトウェア の導入と連携(2)

可視化ソフトウェアの環境整備にあたって、なるべく自動化をはかる。
Homebrewから、scienceレポジトリがアーカイブ化されたばかりで
最新情報は少ない。brewsci/scienceレポジトリに収録されているGUIの導入を試みる。

Jmol、Gabedit、Moldenの3種、コンバータとしてopenbabelの存在確認したが、いずれもターミナルから実行するものなのでbrew cask で管理されない。Avogadro 2は、brew caskからインストール可能で、これらに比較するとずっとカジュアルだ。
なお、moldenはバイナリインストールとソース・ビルドは失敗し、openbabelとgabeditはうまくいった。
  • Jmol 14.x のインストール(Homebrewレポジトリの有効化、brew cask からの JDK導入→jmol)
brew tap brewsci/science 
brew install adoptopenjdk
brew install jmol 
  • openbabel 3.x のインストール
brew install open-babel
  • Gabedit 2.5.x のインストール
brew install gabedit 
  • wxMacmolplt 7.x のインストール
brew install wxmacmolplt 

Homebrewだけでは対応が難しいので、GAMESSのために、wxMacMolPlt、Moldenの手動インストールをしておく。論文用にたえうる解像度のファイル作成のためには、GaussViewを加えてこの3種があればなんとかなるだろう。

  • wxMacMolPlt のインストール → homebrew でのインストールが可能になった
  1. http://brettbode.github.io/wxmacmolplt/
  2. 64bit または 32bitバイナリを選択 (Mojaveまでは、32bitが利用可能)
  • Molden のインストール → molden 5.7 は homebrew (brewsci/scienceレポジトリ) でのインストールに対応
  1. https://www3.cmbi.umcn.nl/molden/  https://www.theochem.ru.nl/molden/ 
  2. molden5.9 の tar ballを入手 (FTPから入ると、最新の6.2のソース、6.1のMacOSX_fullバイナリが入手可能)
  3. 解凍して任意の場所へ移動、PATHに追加


Mojave時代の計算化学環境

2019年も終わりに近づき、32bitネイティブアプリが使える最後の世代の
Mojaveが安定してきたところでの記事更新。MacBook Proを更新しました。

OSXの変遷は Lion → Snow Leopard → El Capitan → Mojave
MacBook Proは4台目、こっそりMac miniも更新しています。

環境構築は、homebrew cask 一択になりつつも、
開発環境は定まりません。すっかり文房具になってしまいました。

MacBook Pro (13-inch, Late2011)
CPU: 2.4GHz Core i5
Memory: 8GB
MacBook Pro (13-inch, Mid2012)
CPU: 2.5GHz Core i5
Memory: 16GB (upgraded)

MacBook Pro (Retina, 13-inch, Early2015)
CPU: 3.1 GHz Intel Core i7
Memory: 16GB DDR3

MacBook Pro (13-inch, 2019, Four Thunderbolt 3 ports)
CPU: 2.8 GHz Intel Core i7
Memory: 16GB 2133 MHz LPDDR3

2018/04/15

可視化ソフトウェア の導入と連携(1)

計算後の可視化には、構造、電荷・双極子モーメント、分子軌道・自然軌道、電子密度・密度解析・静電ポテンシャルマップなど、分子物性の把握に必要で、プリポスト処理を兼ねることが多い。

プリポスト処理として、すべての機能を満たすツールは少ないので、ツール群の組み合わせやシェルスクリプトでのデータ整形が基本である。

・事前準備
xcode-select --install
http://brew.sh/ からワンライナー・インストール

・PyMOL
https://qiita.com/Ag_smith/items/58e917710c4eddab46ee
を参考に

PyMOL オープンソース版 https://sourceforge.net/projects/pymol/
依存パッケージ群
glew freeglut python3.6 libpng tcl-tk pmw freetype2 libxml2 msgpack
をインストール
homebrew からscienceパッケージが削除されたため

brew tap brewsci/core

などの点だけ注意。Open-Source PyMOL が動作する。

・AIMALL
'Atoms in Molecule"(分子内原子の方法)と呼ばれる、電荷密度勾配の可視化手法をツールとして提供している。

AIMALL Standard版 http://aim.tkgristmill.com/index.html
氏名・所属機関・本文を記入するとライセンスが送られてくる。
最新の64bit バイナリ・インストールすると、/AIMAll に実行ファイルが
インストールされる。無料のStandard版では、12原子以上・400 primitive basis set 以上は実行できない。

・そのほかの可視化ソフトウェア 一覧

2016/02/24

El Capitan時代の計算化学環境

旧記事ではmacmini + OSX (Lion)の環境構築を記録したが、
MacBook Proの軽量化とOSXが El Capitanで安定してきたので
順次、刷新予定。

この3年での環境の移り変わりは以下。Lion → Snow Leopard → El Capitan
というように変遷してきてます。


MacBook Pro Late2011-13inch
CPU: 2.4GHz Core i5
Memory: 8GB
MacBook Pro Mid2012-13inch
CPU: 2.5GHz Core i5
Memory: 16GB (upgraded)

MacBook Pro (Retina, 13-inch, Early2015)
CPU: 3.1 GHz Intel Core i7
Memory: 16GB DDR3